ひまわり-HIMAWARI-

ひまわりという花をみていると、人みたいだなぁと思う。
それはとくに女性を思わせる。 緑色の固く閉じたつぼみの時、先の尖ったガクに包まれ、若さという未 知に対する力が、まだその内側にひそんでいるようにみえる。
そして、花が開き始めたとき、その緑色のガクを押しのけて、花びらが すこしずつ、時にはいっぺんに外に向かいだす。
ひまわりが満開のとき、人生で一番輝いている時だと自覚しているかの ように、誇らしげにみえる。
力強く開いた花びらや、太陽に照らされ鮮やかに映る黄色。
そして、少しずつ色を失い、その形を変えてゆく。
花びらが落ち、しおれてゆく。
その老い方というのも本当に様々で、いろいろな形があり、色もある。
美しく老いていくひまわりというのが必ずある。
それは、むしろ全開のときの自信たっぷりのひまわりよりも、なぜか私 の心を引きつけるのだ。
その時々の変化する形、そして、最後には形などなくなるのだというこ とを自覚したとき、そこに若さとは違った輝きが生まれるものなのかも しれない。